藤井 風さん・・・ 猫が推し活始めました😺

♥️する さすけ のつぶやき

『Summer of Soul』

『サマー・オブ・ソウル ( あるいは、革命がテレビ放映されなかった時 )』
見てきたよ。
風さんが見た映画。
これって、人を好きになるとその人の見るもの聞くもの何でも共有したくなるって心理や。
風さんのインスタ見てなかったら、そのうち地上波で見られるかもしれんし、まっ、いっかとスルーしてたかも。

平日だったせいもあって観客はえらく少なかったけど・・・
見てね、良かったよ。

上映場所少ない上に、期間も短いけど、チャンスがあったら是非見るべき。
お薦めじゃ。

これから見ようとしてる人おったら、エンドロール終わるまで席を立たない方が絶対良いからね。

以下、ネタバレ。



1969年夏、世界初の大規模野外フェスティバル『ウッドストック』が開催された。参加アーティストは32組。3日間で40万人を集め、翌年には映画化された伝説のフェスティバルだ。

ほぼ同じ頃、160キロ離れたニューヨーク・ハーレムでは、実は、もうひとつの歴史的音楽フェスティバルが開かれていた。
『ハーレム・カルチュラル・フェスティバル』。
ハーレムの公園(Mt.Morris Park)に、ブラックミュージックのスター27組が集結。6回に渡っての開催で、集まった観客は30万人。

映画では当時のドキュメンタリー映像や出演者・観客へのインタビューを交えながら、『ハーレム・カルチュラル・フェスティバル』の様子を伝えている。

冒頭、19才のスティービー・ワンダーが何とドラムを演奏。のっけから超貴重な映像だ。

何度も衣装を変え、司会者としてステージを駆け回るのは、この音楽祭を主催したトニー・ローレンス。

彼はニューヨーク、ジョン・リンゼイ市長の協力をとりつけていた。余談だけど、この市長(当時、47歳)がえらくかっこいい。
市長は保守党ながら、リベラルな思想の持ち主で、人気があったようだ。ハーレムの貧困問題にも積極的に取り組んでいた。

1960年代は、まさに暴力と暗殺の時代。
マルコムXキング牧師ケネディが暗殺され、ベトナム戦争が激化していく中、黒人を取り巻く環境は悪化の一途を辿っていた。差別や貧困、ドラッグの蔓延。全米で抗議による暴動が起き、ここハーレムでも人々の怒りが爆発していた。そんな彼らの憤りを抑えるカンフル剤として必要とされたのが、このフェスティバルってわけだ。
スポンサーもみつかり、開催に漕ぎ着ける。

ステージではB・B・キング、ハービーマン等の力強い歌声が響く。
ゴスペルの女王・マヘリア・ジャクソン&メイヴィス・ステイプルズによるキング牧師への追悼となる歌唱は、まさに心からの叫び。
圧巻。
聞いていて心が震えたよ。

熱気に溢れていたのはステージ上だけではない。
所狭しと公園に集結した黒人達は熱狂し、全身で喜びを表す。中には木によじ登ってノリノリで聞いている人もいる。雨の日には赤青黄と色とりどりの傘を広げて皆ステージを見つめていた。

これって、家の近くの公園で錚々たるミュージシャンが無料で演奏してるみたいな事だよね。
日常に溶け込み、生活の一部と化したフェスティバル。
50年前にこんなイベントがあったなんて。
驚きなんてもんじゃない。凄すぎる。

驚くことに、白人メンバーもいれば、女性がサックスを奏でる『スライ&ザ・ファミリーストーン』、そして白人のポップスも歌う人気コーラスグループ『フィフス・ディメンション』も黒人だらけの聴衆に受け入れられていた。誰が何を演奏していようと良いものは良い。帰れなんて言う人はひとりもいない。
正にボーダレス。
それが音楽なんだよな。

更に特筆すべきは、アポロ11号が月面に降り立った歴史的な瞬間にこのフェスが開催され、スティービー・ワンダーが偶然にもその日、ステージに立っていたということ。
フェスの観客は、口を揃えてインタビューに答える。「宇宙開発なんかにお金を使うなら私たちにそのお金を回してくれ」と。

最後に登場したニーナ・シモン。

「To Be Young、 Gifted & Black」という楽曲で、彼女は黒人女性の威厳を放ちながら、「あなたは才能のある黒人。世界はあなたを待っている」と歌いあげる。

黒人で初めて大学に進学した女性は言う。
「当時、寮の一階で暮らしていたのは黒人の私だけ。白人はみな二階の部屋に居て、頭上で足を踏み鳴らしては私に嫌がらせをする。でも、そんな時はニーナ・シモンを聴いてやり過ごした。平気だった。」と。

肌の色が違うというだけで、そうか、ずっとずっと屈辱を味わってきたんやね。

その絶望の淵から這い上がる為に産み出されたのが、ゴスペルやソウル、ジャズに代表されるブラックミュージックであり、それを聞いて多くの人が救われてきたって事なんやなぁ。


このブラックミュージックの祭典は、その後忘れさられ、幻の音楽祭となる。
その様子を記録した映像は約50年間も地下室に埋もれたまま。
この映像をテレビ局などに売ろうとしたが、誰も黒人のフェスになど興味がなかったという。
幼い頃、このフェスティバルを目撃した男性は、50年振りに映像を見返し、涙ぐむ。
「あれは本当にあったことなんだろうかとずっと思っていたが、本当だった。本当に美しかった」と。

人種の坩堝、アメリカの闇を感じるよね。
でも、この映像が永久に葬られるわけではなかった。それもアメリカならではだ。

膨大な量の映像に修復作業が施され、『ザ・ルーツ』のドラマー(5度のグラミー賞受賞者)クエストラブ・トンプソンが映画化。
そして、2021年サンダンス映画祭にてドキュメンタリー部門審査員大賞と観客賞のW受賞を果たした。

現在のスティービー・ワンダーは当時を振り返り、こう言う。「僕らは音楽で別の次元へ行こうとしている」と。
エンドロール後のスティービーのコントはシャレてるよ。

以上が大まかな内容なんだけど、
ブラックミュージックに疎いわてでも、生き生きとした映像の数々から、ミュージシャン達の魂に触れられたし、観客の息遣いを感じる事が出来た。

興業収入 400億なんて映画は、それはそれで素晴らしいけど、小さな映画館でひっそり上映される映画にも上質な作品が沢山あるんやね。


ところで、今の日本はどうなんやろ?
こんなあからさまな人種差別はないけど、いじめは失くならんし、最近コロナ禍の倒産とか生理貧困、8050問題とか色々出てきてる。

癒しの音楽が必要な人は目に見えてる以上に沢山おると思う。

風さん、この映画見て、もの凄いインスパイアを受けて" Free " Liveに臨んだに違いない。

また" Free " Live 見たくなったちゃったよ。
アーカイブ見よーっと。

あっ、『STEP CM』フルバージョンがGoogle Japanのサイトで、見られるようになったね。
さすがチーム風!
パチパチパチパチ👋

約束通りノーギャラのじいちゃん猫CMの話、どんどん進めてくれて構わんからね。

何?
何~?

ご遠慮いたします?

はぁ、しょうゆ、いや、そーすかぁ・・・


ほな🐾